医療経営管理士を創ろうとしている人のブログ

診療放射線技師みおきょうこのひとりごと

縄文人に出会った話

今回は、前回のちょんまげ話の余談である。

医療業界の労働問題を語るとき、やる気の搾取という言葉が登場するようになってから久しい。
これが何のことかは容易に想像がつくであろうけども、医療経営者が労働環境の改善を行わず、患者のためだと言って医療従事者に過酷な労働を強いることで医療機関を成り立たせている状態のことである。
バーンアウトや医療従事者のうつ増加に対し、世間から心配の声が出ている現時点においても、堂々とやる気の搾取を宣言している医療経営者に出会った驚きを述べる。

 

とある醫院(←保険医療機関名に非常用漢字を使っている時点で察するところがある)において、診療放射線技師の増員を考えているという話の中で、出てきた要点が以下である。
・1時間前入り+勤務時間+残業1時間以上を常としており高収入である
・医療事務の求人に応募者がないので診療放射線技師に医療事務を任せるつもりである
・医療従事者は患者の笑顔のために働いているのであるから自己犠牲は当然である
・医療経営を取り立てて学習する必要性はなく医療従事者の心持があれば成り立つ
・クリニック経営は個人でやっていることであるから国の方向性は無関係である

捏造を疑われるレベルの内容だが、これらを堂々と述べてしまう医療経営者に今更出会ったのであるから、その衝撃たるやハンパない。
ちょんまげ結って歩いているどころか、石斧を持って毛皮を着ているレベルであるから、スゲーの出てきたなと思った。

 

まず、残業が当然である職場のことを高収入と呼んでいる時点で、使用者としての自己都合が過ぎる。
時間外労働の賃金に割増を法で定めてあるのは、時間外労働を防ぐためであるから、労働法の意義をまったく理解できていない使用者であることが明らかである。
そして、仕事に見出すやりがいが何であるかは労働者の自由であり、やりがいを特定して押し付けている時点で、経営者としての器に大きな疑問を感じる。
そもそも、自分自身が自己犠牲を払うのは勝手であるが、他人にそれを強いることに抵抗を感じないのは、人として疑われるべきだとすら思える。
さらに、医療経営の専門性をこの期に及んで認識していないというのは、それが注目されているこの数年間、宇宙にいたのかという話になる。
経営者自身の専門性を理解できていないくらいであるから、診療放射線技師の専門性を理解できないのは不思議ではないが、もはや述べるまでもないことだろう。
何より問題なのは、経営は運営と社会をつなぐ窓であるから、窓が縄文では運営がいくら耐えたところで報われない未来が待っているであろうことだ。

 

私が医療経営管理士創設を提案していると知らない人とはいえ、ここまでコンプリートされると、ブログに掲載してほしいに違いないと理解するしかない。
ということで、スゲーの出てきた話として述べてみた。

次回に予定している内容であるが、今月中旬から新規案件の下準備に忙しく、こんなことを述べている場合ではないのが私の現在でもある。

 

もう、こういうのいらないんで、マジで。

 


みおきょうこ@診療放射線技師 @Instagram
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